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差分スキームの適合性

差分スキームの3大性質
・適合性 (consistency)
・安定性 (stability)
・収束性 (convergence)
の1つ、適合性についての簡単な説明。
Taylor展開が登場します。

Tags : 数学 数値解析 解析学

差分スキームの適合性とは、
離散化間隔を0に近づけたときに、差分方程式が元の微分方程式に一致する性質
のことを言います。
つまり、「その差分スキームは本当に元の微分方程式を近似していますか??」ということ。

もちろん、この性質を満たさない差分スキームで計算しても正しい数値にはなりません。

このブログでいくつか紹介した差分スキームは、全てこの性質をもっています。(元の微分方程式に適合しているともいう)



1つの例として
FTCSスキームを熱伝導方程式(ただし簡単のため係数は1とした)に適用した場合について適合性を調べてみましょう。

熱伝導方程式
∂u/∂t = ∂2u/∂x2 …… (1)

これを、FTCSスキームを用いて差分方程式に変換すると
{ ud(x,t+⊿t) - ud(x,t) }/⊿t
= { ud(x+⊿x,t) - 2ud(x,t) + ud(x-⊿x,t) }/(⊿x2)
…… (2)

ここで、udは差分方程式(2)の解です。(厳密にはuと異なる)

ud(x,t+⊿t) について、tを中心としてTaylor展開すると
ud(x,t) + ∂ud/∂t・⊿t + O(⊿t2)
ud(x±⊿x,t) について、xを中心としてTaylor展開すると
ud(x,t) ±∂ud/∂x・⊿x + (1/2)・∂2ud/∂x2・(⊿x2) + O(⊿x3)

ゆえに、(2)式の左辺は
{ ud(x,t+⊿t) - ud(x,t) }/⊿t
= { ud(x,t) + ∂ud/∂t・⊿t + O(⊿t2) - ud(x,t) }/⊿t
= { ∂ud/∂t・⊿t + O(⊿t2) }/⊿t
= ∂ud/∂t + O(⊿t)


(2)式の右辺は
{ ud(x+⊿x,t) - 2ud(x,t) + ud(x-⊿x,t) }/(⊿x2)
= { ∂2ud/∂x2・(⊿x2) + O(⊿x4) }/(⊿x2)
= ∂2ud/∂x2 + O(⊿x2)


以上より、(2)式は
∂ud/∂t + O(⊿t) = ∂2ud/∂x2 + O(⊿x2)
となります。
⊿t→0, ⊿x→0 のとき、確かに(1)式と同じ形の式になっているので、FTCSスキームは熱伝導方程式に適合しているといえますね。
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