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Gerschgorinの定理/円定理の実例

先2回の記事で紹介した
Gerschgorinの定理
Gerschgorinの円定理
を、実例を通して確かめてみました。

Tags : 数学 数値解析 線形代数

3×3の行列
\begin{pmatrix}1 & 2 & -1\\ -1 & 3 & 2\\ 0 & 2 & 1\end{pmatrix}
について考えます。なお、この行列は適当に選んだもので特別な意味はありません。

・Gerschgorin定理の検証
― 行について

第1行の要素の絶対値の和は 4
第2行の要素の絶対値の和は 6
第3行の要素の絶対値の和は 3

ゆえに、固有値をλとすると
|λ| ≦ max(4,6,3) = 6

― 列について

第1列の要素の絶対値の和は 2
第2列の要素の絶対値の和は 7
第3列の要素の絶対値の和は 4

ゆえに
|λ| ≦ max(2,7,4) = 7

複素平面上に図示すると
固有値の存在領域
赤の点が固有値、青の円が|λ|≦6の円、紫の円が|λ|≦7の円です。
|λ|≦6 と |λ|≦7 が同時に成り立つので、ここからわかる固有値の存在範囲は灰色の部分になります。



・Gerschgorin円定理の検証
― 行について

第1行の対角要素は 1
第1行の、対角要素を除いた要素の絶対値の和は 3
ゆえに |λ-1| ≦ 3

第2行の対角要素は 3
第2行の、対角要素を除いた要素の絶対値の和は 3
ゆえに |λ-3| ≦ 3

第3行の対角要素は 1
第3行の、対角要素を除いた要素の絶対値の和は 2
ゆえに |λ-1| ≦ 2

この3円を複素平面上に図示すると
固有値の存在範囲2
赤の点が固有値、橙の円が上述の3円です。
Gerschgorinの円定理からわかる 固有値の存在範囲は、3円盤の和集合(OR)である灰色の部分になります。

― 列について

第1列の対角要素は 1
第1列の、対角要素を除いた要素の絶対値の和は 1
ゆえに |λ-1| ≦ 1

第2列の対角要素は 3
第2列の、対角要素を除いた要素の絶対値の和は 4
ゆえに |λ-3| ≦ 4

第3列の対角要素は 1
第3列の、対角要素を除いた要素の絶対値の和は 3
ゆえに |λ-1| ≦ 3

この3円を複素平面上に図示すると
固有値の存在範囲3
赤の点が固有値、緑の円が上述の3円です。
同様にして、固有値の存在範囲は灰色の部分になります。

Gerschgorinの円定理から最終的に限定できる存在範囲は、
「行について得られた範囲A」と「列について得られた範囲B」の積集合(AND)となります。
(今回の場合 A⊂B なので、求める範囲はAそのものに等しくなります)


この例からもわかるように、Gerschgorinの円定理はGerschgorinの定理より強く範囲を限定してくれます。
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