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ε-δ 連続性の証明を丁寧に書く

久々に数学の記事です。
やることが多くなる定期試験前だからこそ、何か書きたくなるのが――。

さて今回は、みんな大好き ε-δ です。
ε-δ とは? というところから解説する気はなく、学ぶ上で自分がひっかかったところを中心にピンポイントに書いていこうかと思います。

ちなみに、ε-δ について書いてある本では、私はこの本をおすすめします。とにかく丁寧に書かれていて、論理の流れが追いやすいのが Good です。

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この記事ではかんたんな関数の連続性を証明します。

なお、ε-δ の話題はあと数回続きます。

Tags : 数学 解析学

さて、この記事では
基本的な関数である f (x) = x を例にとって、f (x) が任意の x∈R で連続であることを証明します。

タイトルにも書いたように、ある意味で "ていねいに" 書きます。
※ "わかりやすく" とは違うかもしれません。



まず、連続の定義から、
「 f (x) が x = a で連続 」 とは
∀ε>0, ∃δ>0, ∀x∈R ( | x - a |<δ ⇒ | f (x) - f (a) |<ε )
という命題が成立することをいいます。

つまり
任意の正のεについて、
ある正のδが存在して、
任意の実数 x について、
x と a の差がδより小さいならば、f(x) と f(a) の差はεより小さい。

ということです。

気分的には
どんなに小さな正のεをもってきても、
 εに応じて、十分小さなδをとると、
  すべての実数 x について、
   x と a がとても近い(遠くてもδ程度)ならば、f(x) と f(a) はとても近い(遠くてもε程度)
 とすることができる。

といった感じです。

ここで注目したいのは、変数の依存関係です。
∀は任意の値を表す記号であって、ε と x はどの変数にも依存しません。
一方、
∃は存在することを表す記号であって、δ はそれより前に定義された変数に依存しているかもしれません。
今回の例では、δ は ε に依存します。
別の言い方をすると "δはεの関数である" ともいえます。
さらに言えば、今 a は始めから与えられているものと考えているので、δ は a にも依存します。このことを強調して書くことにしましょう。

変数の依存関係を明示的に書けば、上の論理式はこうなります。
∀ε>0, ∃δ(a,ε)>0, ∀x∈R ( | x - a |<δ(a,ε) ⇒ | f (x) - f (a) |<ε )



証明に入りましょう。
証明したい論理式は
∀ε>0, ∃δ(a,ε)>0, ∀x∈R ( | x - a |<δ(a,ε) ⇒ | f (x) - f (a) |<ε )
でした。

論理式にしたがって、順番に進めていきます。

まず、任意の ε (> 0) をとります。
以降、ε は固定された定数だと考えます。

次に、a と ε の関数 δ = δ(a,ε) (> 0) が存在することを示します。
存在することを示すための最もシンプルな方法は、実際に作ってみせることです。
今回の場合はそれができます。

任意の実数 x に対して、
| x - a |<δ(a,ε) ⇒ | f (x) - f (a) |<ε
が成立するように δ(a,ε) を決めましょう。
この記事では f (x) = x としておいたのでした。
なので、命題は
| x - a |<δ(a,ε) ⇒ | x - a |<ε
となります。

この式が成り立つような δ(a,ε) にはどのようなものがあるでしょうか?
たとえば δ(a,ε) = ε とすれば OK です。
( | x - a |<ε ⇒ | x - a |<ε は当然成立します )

他にも、δ(a,ε) = ε/2 などでもいいですね。

つまり、δ(a,ε) のとり方としては何通りも考えられるということになります。
※ この例では、δ は a に依存せずに決めることができました。その意味では悪い例でした。

でも、思いっきり小さくしてやろうと、たとえば δ(a,ε) = ε142857 なんてのはダメです。
なぜなら、このとき ε>1 では
| x - a |<ε142857 ⇒ | x - a |<ε
は必ずしも成立しないからです。∀ε>0 について成り立つような δ(a,ε) をとってやらなければいけません。
なので、
δ(a,ε) = min( ε142857, 1 )
なんてのはOKです。

ここまででわかったのは、
「 f (x) = x は x = a で連続 」
ということでした。
これではまだ、a という一点で連続だということしか言っていません。

「 f (x) = x は 任意の x∈R で連続 」
を示すためには、次の論理式を示せばいいことになります。

∀a∈R, ∀ε>0, ∃δ(a,ε)>0,
∀x∈R ( | x - a |<δ(ε) ⇒ | f (x) - f (a) |<ε )


最初に ∀a∈R が追加されただけですね。
とはいっても、先にやった "x = a で連続" の証明の中で a は何でもよかったので、自動的にこの論理式もみたされていることになります。

以上で、
「 f (x) = x は 任意の x∈R で連続 」
が証明できました。


2010/07/22 : 少しだけ修正しました
2011/10/24 : 読み返してみるとあまりにも意味不明だったので、たくさん修正しました
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Author : fura2
数学・コンピュータを中心に、考えたこと・やったことを書いていきます。

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