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ε-δ へんな関数の無理数での連続性

ε-δの話。
5 回構成の第 2 回目。

今回と次回の 2 回を使って、関数
f(x)=\left\{\begin{matrix}x&(x\in\mathbb{Q})\\ 0&(x\in\mathbb{R}\setminus \mathbb{Q})\end{matrix}\right
の連続性を調べます。

Tags : 数学 解析学

f (x) は、直感的には激しく振動しているような関数です。
あえてグラフに書くなら
y=f(x)のグラフイメージ
のようになるでしょうか。

さて、ε-δ論法を使って f (x) の連続性を調べてみましょう。

[ 無理数での連続性 ]

x = a ( a は任意の無理数 ) での連続性を調べます。

a のすぐ近くにはいつも有理数があって、そこでは f (x) = x > 0 です。
なので、x = a で f (x) は不連続ではないかと推測できます。
そこで、x = a で f (x) が不連続だということを証明することを試みます。
まずはこの命題を論理式で書いてみます。

f(x) が x = a で不連続
⇔ ¬( ∀ε>0, ∃δ>0, ∀x ( | x - a |<δ ⇒ | f (x) - f (a) |<ε) )
⇔ ∃ε>0, ∀δ>0, ∃x ¬( | x - a |<δ ⇒ | f (x) - f (a) |<ε)
∃ε>0, ∀δ>0, ∃x ( | x - a |<δ and | f (x) - f (a) |≧ε)

1つめの ⇔ は、不連続の定義
2つめの ⇔ は、∀, ∃ の中に ¬ を入れると、∀ と ∃ が逆転する性質
3つめの ⇔ は、「 ( A ならば B ) でない 」 と 「 A かつ ( B でない ) 」 が同値だから

f (x) の定義より f (a)=0 なので、証明したい命題は
∃ε>0, ∀δ>0, ∃x ( | x - a |<δ and | f (x) |≧ε)
となります。
つまり、

ある正の ε=ε(a) をもってくると、
 どんな正の δ に対しても、
  x=x(a,ε,δ) をうまく決めると、
   |x-a|<δ であるにもかかわらず |f(x)|≧ε
となるようにできる。

ということです。

まず、εを a の関数として決めたいのですが、具体的な形がわからないので一旦保留にして、後で決めることにします。
任意のδについて、| x - a |<δ and | f (x) |≧ε となる x (a,ε,δ) を決めることができれば、証明が完成します。

上での考察から、このような x は有理数だろうと予測がつきます。
( 実際、x が無理数なら | f (x) | = 0 となって | f (x) |≧ ε は達成できません )
また、| x - a |<δ は a-δ<x<a+δ のことなので、x は a の十分近くにいる必要があります。
そこで、
x = ( a-δ<x<a+δ をみたす有理数 )
ととってみることにしてみます。
すると、条件のひとつ | x - a |<δ はクリアできました。
しかし、これだけだと | f (x) | = | x |≧ε とはなっていないかもしれません。
それなら、x の取り方を少し修正して
x = ( a-δ<x<a+δ かつ | x |≧ε をみたす有理数 )
としましょう。
これで、すべての条件 | x - a |<δ, | f (x) |≧ε がクリアできました。

あとはεを決めるだけです。
このεは ( 正であれば ) どんな数であってもいいわけではなく、さっき決めた x がいつも存在するようにしておかなければいけません。∃ε ... ∃x ... です。
この場合は、たとえば
ε = |a|/2
ととっておけば OK です。

このことは、数直線上で考えると分かりやすいと思います。
xのとりうる範囲を数直線上で図示
オレンジ色の区間 ( の中の有理数 ) が x のとりうる値です。
a>0 のときは図の右半分が、a<0 のときは左半分が対応しています。
ε = |a|/2 ととっておけば、いつでも ( a がどこにあってもどんな小さなδに対しても ) ほしかった有理数 x をとることができますね。

以上で証明完了です。
つまり、

ある正のεが存在して、 ( ε(a) = |a|/2 )
 任意の正のδについて、
  |x-a|<δ かつ |f(x)|≧ε となるような x をとることができる。

ということです。

予想通り、f (x) は無理数では不連続でした。


長くなったので記事を分割します。次回は f (x) の有理数での連続性について考えます。


2011/11/18 : ところどころ書き直しました。
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