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ε-δ 各点収束するが一様収束しない関数列

ε-δ 5/5回目。最終回、というか番外編。

開区間 (0,1) で各点収束するが一様収束しないことで有名な関数列
{ fn(x) } , fn(x)=xn
について、なぜこんなことが起こるのかをちょっとだけ潜って見てみよう、という記事。

Tags : 数学 解析学

{fn(x)} が (0,1) で各点収束することは認めるとしましょう。
収束先の関数f(x)は f(x)=0 (恒等的に0をとる定数関数) です。

一方で、{fn(x)} は (0,1) で一様収束しません。なぜでしょう?
一様収束の定義を見てみます。

「関数列 {fn(x)} が 区間 I で一様収束する」
「∀ε>0, ∃N∈N, ∀n>N, ∀x∈I ( |fn(x)-f(x)|<ε )」

Nは自然数の集合を表す記号ですが、以下では省略します。
f(x)は {fn(x)} が各点収束する先の関数です。

ε-δ 第1回の記事でも触れたように、各変数には束縛範囲があって、この場合だと
・ε, n, x は(定義域の範囲で)自由に決めることができる変数
・N はεに依存して決まる変数(本当は関数). N=N(ε)
となっています。
本当は、自由変数とか束縛変数とか厳密な議論があるんだけど、私は論理学をまだ勉強していないからよく知らない


ちなみに、各点収束の定義も書いておくと
「関数列 {fn(x)} が 区間 I で各点収束する」
「∀x∈I, ∀ε>0, ∃N∈N, ∀n>N ( |fn(x)-f(x)|<ε )」
と、xを決めるタイミングが違うだけです。
この場合だと
・ε, n, x は自由に決められる
・N=N(x,ε)
となっていて、ここが一様収束と決定的に違うところです。


今回扱う例 fn(x)=xn の場合には、一様収束の定義は
「∀ε>0, ∃N, ∀n>N, ∀x∈(0,1) ( xn<ε )」
となります。
一応、こうなる理由を書いておくと、
|fn(x)-f(x)| = |xn-0| = xn (0<x<1ゆえxn>0)


また、これは説明しやすくするためですが、
xn という関数は、0<x<1 では n が大きくなるほど値が小さくなる ( xn>xm (n<m) ) ので、実際は ∀n>N について言わなくとも、もっとも小さい n (つまり n=N+1) についてだけいえば十分です。
「∀ε>0, ∃N, ∀x∈(0,1) ( xN+1<ε )」

さらに、N+1 を N だと思うと、
「∀ε>0, ∃N, ∀x∈(0,1) ( xN<ε )」
としてかまいません。 (この文字色の部分は本筋ではないし、あまり重要でない)


一様収束の場合は N が x に依らない、つまり、εを決めれば N が決まり、0<x<1なる x に対して
xN<ε
となるはずです。
これは中々強力な主張で、言い換えれば、
εをどんなに小さくとって、Nをどんなに大きくとっても、
ε,Nを決めた後に決めることができるすべての x (0<x<1) に対して xN<ε
が成り立つということです。

そんなことが本当に成り立つでしょうか?
答えは否で、先にNを決めてしまったのだから、1にとっても近いx(<1)を取ってしまえば、たとえNがどんなに大きかろうと、xN≒1 とできるでしょう。

具体的には、ε<1なるεを決めたときに、x = N√ε (εのN乗根)とすると、
0<x<1 がみたされ、かつ、xN = εとなり、xN<εが成立しません。

結局この部分がすべてで、x を 1 に非常に近くとってしまえば、xN の値はそれほど小さくならない (むしろいくらでも 1 に近くできる) ため、一様には収束しなかったというわけです。
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Author : fura2
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